インタビュー interview
【ちゅらデータ株式会社】エンジニアからデータアナリストへ。沖縄で見つけた新しい仕事と家族との暮らし
今、急成長を遂げているデータ分析企業のDATUM STUDIOの子会社で、2017年8月に設立されたちゅらデータ。東京の企業を中心にデータ分析や機械学習の受託業務を手がけています。そんな同社に入社し、東京から移住してきたのが石川雄基さんです。移住のきっかけや現在の仕事、沖縄での暮らしなどについて、本人を直撃しました。
ちゅらデータ株式会社 データアナリスト
石川雄基さん
1990年、静岡県浜松市生まれ。愛知県内の大学を卒業後、東京都内のIT企業にエンジニアとして入社。その後、知人の紹介で親会社のDATUM STUDIOに転職。約1年後の2018年1月、子会社のちゅらデータ(宜野湾市)に入社し、現在に至る。データアナリストとして、東京を中心に企業から各種データ分析、機械学習の仕事を請け負う。妻と2人暮らし。まもなく第一子が誕生する予定。
◎沖縄にIターンした経緯について
知人が沖縄で会社をつくると聞き…
愛知県内の大学を卒業後、SNSやシェアリングエコノミーのサービス開発を行う都内のWEB系企業に入社し、エンジニアとして3年間勤めました。”東京”を目指したのは、ITに関する最先端の情報が得られ、スキルも身につけられると思ったからです。中学生のときから独学でプログラミングをしていて、ホームページや掲示板をつくっていました。そのころから、仕事は「エンジニアしかない」と思っていました。
沖縄へ移住したのは、現在のちゅらデータの代表・真嘉比が沖縄に会社をつくるという話を聞き、興味を持ったのがきっかけでした。真嘉比とは東京にあるエンジニアのコミュニティで知り合い、歳が近いこともあって仲良くしていました。まずは東京にある親会社のDATUM STUDIOに1年在籍してから、2018年1月にちゅらデータのオフィスがある宜野湾市に妻と2人で引っ越しました。
東京で子育てするイメージが湧かなかった
もともと、いずれは東京からは離れるつもりでした。理由は、子育てと住環境です。将来子どもを育てることを考えると、ビルが多く自然が少ない東京は向いていないと思っていました。それと、やはり東京は家が狭く、家賃も高い。また、せっかくなら地元・浜松ではなく、新しい場所で暮らしてみるのも面白そうだなと。沖縄に馴染みがあったわけではありませんが、良いイメージは持っていました。
仕事内容も大きかったと思います。データ分析や機械学習という未経験の新しい分野に挑戦できる。そんな期待感がありました。
◎現在の仕事について
”答えのない”データアナリストの魅力
ちゅらデータではデータアナリストとして、主に東京の企業から依頼されるデータ分析や機械学習を行っています。お客様の課題をヒアリングしたうえで、データを使ってどんな解決策を見出せるのか提案し、実際にデータを分析します。様々な業界の企業と取引をさせていただいているので、扱うデータの規模も種類も様々で、扱う手法も自然言語処理・画像処理・時系列解析・分析基盤構築など多岐にわたります。案件ごとにまったく色が違うので、毎回学ぶことが多く刺激的なのも大きな魅力です。
仕事内容はとても難しいですが、その難しさも魅力の1つです。それまでやっていたWeb開発の業務では、ある程度経験があれば開発完了までの見通しを立てることができました。しかしデータ分析の場合は、どうやったら結果が出るのか、どうやったらお客様に満足してもらえるか、そう簡単に答えは出てきません。開発の仕事とはまた違った難しさがあり、それを試行錯誤しながら掘り下げていく作業が、非常に面白いです。
一般的にデータ分析には3つのスキルが必要だと言われています。お客様の経営課題に寄り添う「ビジネス力」と、データから解決策を見出す「数学・統計学」、それと思い描いた解決策をカタチにする「エンジニアリング」のスキルです。もちろん3つのスキルをすべて兼ね備えている人というのは、そうそういるわけではありません。何かに強みを持った人たちが集まり、互いに補いながらビジネスを前に進めていきます。
自分自身もこれまでのキャリアから「エンジニアリング」は得意としていますが、ビジネスや統計学に詳しいわけではありませんでした。今は得意な「エンジニアリング」を活かして仕事をしながら、残りの2つのスキルを伸ばすために日々励んでいます。
◎現在の会社について
平均年齢20代、フラットな雰囲気
現在、11名の社員で仕事を回しています。親会社から転籍してきた人を含め、移住者と県出身者が50:50ほどの構成です。平均年齢は20代と若く、上下関係もなくフラットな雰囲気ですね。オフィスから徒歩10分のビーチでバーベキューをしたり、一軒家を貸し切って分析合宿を行ったりと、さまざまな社内イベントも実施しています。まだ設立したばかりの会社ですし、「どんどん新しい企画・コミュニティをつくっていこう」という前向きな風潮があります。また、外向けに「ちゅら.ai」という機械学習コミュニティを運営していて、沖縄のデータ分析・機械学習界隈を盛り上げていきたいという思いがあります。
オフィスは、那覇市から車で30分ほどの宜野湾市にあります。「なぜ那覇ではないのか」と聞かれることもありますが、宜野湾を選んだのには理由があります。那覇は人口や交通量が多いため通勤が大変で、地価も高い一方で、宜野湾は地価が安く渋滞も少ない。ビーチも近く自然が豊かで、適度に栄えているため買い物にも困りません。那覇空港からも比較的近く、出張する際にも便利です。これには、沖縄出身の代表の真嘉比が、社員の働きやすさや暮らしやすさ、また会社の成長などを考えてあえて宜野湾を選んだ経緯があります。宜野湾はバランスのとれたいい町だと思います。
◎沖縄へIターンして
通勤時間は徒歩数分。終業10分後には夕飯
移住して一番強く感じるのは、満員電車に乗らずに快適に通勤できることですね。自宅から徒歩数分で出社できるので、仕事を終えてパソコンを閉じた10分後には、自宅で夕飯を食べられる。東京にいたときには考えられなかった生活を送っています。
沖縄に来る前は、東京のIT界隈コミュニティから離れることで、新しい情報をキャッチアップできるかどうか不安がありました。東京にいれば毎週のように勉強会やイベントに参加でき、最先端の情報が簡単に得られるからです。それでもなお沖縄に移住するということは、「東京にいなくても(スキルアップ)できる。やってみせる」という挑戦でもありました。
実際に沖縄でのイベントの数は東京に比べたら少ないですが、全くないわけではなく、各分野で誰かしらが何らかの活動をしています。勉強会などのイベントは私たち自身でも積極的に主催するなどして、沖縄のITも盛り上げていきたいと思っています。
子育てしながら、柔軟に稼げる働き方
生活面でも、もう少し困ることがあるかと思っていましたが、そんなことはありませんでした。車で10分ほどの場所にショッピングモールもありますし、車さえあれば買い物などに困ることはありません。東京に住んでいたときよりも広い家なのに、家賃も安くなりました。移住前は沖縄料理を積極的に食べる機会はそれほどありませんでしたが、今ではすっかり大好物です。
ただ、引っ越し直後の1カ月ほどは苦労しました。東京で暮らしている間はペーパードライバーで、最初はまったく車を運転できなかったからです。しかし運転するようになって1ヶ月くらいでそれなりに乗れるようになったので、やってみればなんとかなると思いました。
以前からよく沖縄旅行に出かけていた妻は移住に大賛成だったので、家族で沖縄生活を満喫しています。数カ月後には第一子が誕生する予定です。東京を離れる大きな理由だった念願の子育て生活が、いよいよ始まろうとしています。
今後は、子育てをしながら楽しく、柔軟にたくさん稼いでいけるような働き方を模索していきたいです。データ分析の仕事は、お客様とのミーティングなどを除けば、時間や場所にとらわれず自由に働きながら成果を出せる仕事です。自分の裁量で柔軟に働く、そういうスキルを身につけたいと思っています。
◎ちゅらデータで活躍できる人材・期待するスキル
データアナリストのニーズはさらに高まる
私のようなデータアナリストの存在は、データ分析や機会学習などの新しい分野は社会のニーズが高まっている一方で、まだまだ人材が足りていないのが現状です。ちゅらデータは、そうした新しい市場を切り拓くために色々なことに挑戦していく雰囲気に溢れています。ビジョンに共感し、率先して仕事に打ち込めるようなベンチャー気質を持った人ですと、より活躍できると思います。
◎沖縄へのUIターンを考えている人へメッセージをお願いします
「地方に移住してやっていけるだろうか」なんて都会に籠もって考えていても一生わからないので、興味があるならとりあえず移住してみてから考えましょう。もしダメだったら戻ればいいんです。ぜひ、私たちと一緒に沖縄のITを盛り上げましょう。
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